ロシアの未来 2016 9 3
プーチン大統領としては、日本の経済協力を得て、
極東だけでなく、シベリアも経済発展させたいところでしょう。
しかし、私は、「北の大地 2016 2 21」で書いたように、
日本にとっては、なかなか難しいものがあります。
むしろ、国境を接する中国が、
次々と中国人を移植させ、実質的な領土とする可能性があります。
その結果、経済的な発展が得られるかもしれません。
次に、中東問題ですが、
もし、中東で、「最終的な戦争」が起こるとすれば、
ロシアが、準主役ような役割を果たすことになります。
多くの人は、アメリカを連想しますが、
アメリカは、観客の立場となるでしょう。
中東においては、アメリカよりも、
ロシアの動きに注目すべきです。
「最終的な戦争」における起爆剤のひとつがロシアです。
そういうわけで、中東におけるロシア関係のニュースは、
もれなく情報収集することが重要です。
もちろん、未来は、時には分岐して、
時には、重なり合って存在していますので、
非常にわかりにくいと言えますが、
未来は、ゆっくりと固まってきて、やがて運命のようになるかもしれません。
北の大地 2016 2 21
書名 ロシア皆伝
著者 河東 哲夫 イースト新書
時々、このようなことを耳にすることがあります。
物流は、極東からヨーロッパまでシベリア鉄道で運べばよい。
このような話は、経済原理を無視した話でしょう。
なぜかというと、シベリア鉄道は、運賃が高いからです。
どうして運賃が高いかと言えば、
シベリアの大地を考えればわかることです。
日本人から見れば、非常に寒いシベリア。
著者によれば、数人から聞いた話だが、
「保線費用に要因がある。
長大なシベリア鉄道をメンテナンスするために、
沿線に点々と保線要員のための村を作ってあって、
その維持費に資金が必要だからだそうだ」という。
私は、若い頃、鉄道が好きで、
日本国内の鉄道、特に冬の東北地方の鉄道によく乗車しました。
その時、よく思ったのは、
「保線は、苦労するだろう。
雪と寒さのために、冬の保線は大変だ」ということです。
極東ロシアを発展させるためには、
なんとか、シベリア鉄道を活用したいところでしょうが、
運賃を考えれば、なかなか難しいでしょう。
ロシアの政治家は、極東ロシアを発展させたいと考えているでしょうが、
この本によれば、
「大多数のロシア人にとって、極東は『付録』のようなものであり、
極東に住んでいるロシア人も、モスクワを熱い目で眺め、
いつかは極東を『脱出』しようと思っている」というのです。
さて、極東ロシアは、どうなるのか。
極東ロシアの人口は、630万人と非常に少ない。
一方、極東ロシアに接する中国の東北3省と内蒙古の人口は、
1億3500万人となっています。
やがて、極東ロシアは、中国に吸収されてしまうかもしれません。